お知らせ

大腸がんの症例報告①

 

免疫細胞療法単独にて大腸がんの再発病巣が寛解した一例
※ LSI札幌クリニックは、瀬田クリニックグループの(特定連携医療機関)として医療連携を行っております。

乳がん①の症例 肺がん①の症例 すい臓がん①の症例 

1.治療までの経緯

2014年10月、食欲不振のため近所の病院を受診したところ、大腸がんステージⅡ(結腸がん)と診断されました。直後に腹腔鏡手術を行い、病巣部とその近くのリンパ節を合わせて切除。しかし2年後の2016年5月にPET検査を行ったところ、腹腔内に腹膜播種もしくはリンパ節転移と考えられる再発病巣が発見されました。

主治医からは抗がん剤治療を勧められましたが、高齢ということもあり患者本人が治療を拒否。免疫細胞療法単独での治療を望まれ当院を受診されました。

2.治療内容と経過

2016年8月、免疫細胞療法のうち、まずは先行してアルファ・ベータT細胞療法を開始。その後、HLA検査や免疫組織化学染色検査を実施しがん細胞の特徴を調べたうえで、ペプチド添加型樹状細胞ワクチンを実施しました。

治療を2週間間隔で実施したところ、治療開始から1年5か月後の2018年1月のPET検査において、再発病巣の消失を認めました(下図)。現在(2019年6月)でも治療を継続中です。

3.考察

この患者さんは右側の結腸である「回盲部」にがんが発生し、手術後の再発に対して免疫細胞療法単独により転移巣の寛解が認められた症例です。
まずはアルファ・ベータT細胞療法を実施して身体全体の免疫を向上させたうえで、免疫組織化学染色検査など各種検査によりがん細胞の特徴を調べ、その特徴に合わせた樹状細胞ワクチンを実施したところ、治療開始から1年5か月で転移巣が消失しました。

最近の研究により、今回のように「回盲部」に発生している大腸がんには、ネオアンチゲン(※)が多く発現している可能性があることが指摘されています。がんの特徴であるネオアンチゲンが多く発現していれば、それだけ、免疫細胞に「非自己」すなわち「異物」であると認識されやすくなると考えられ、免疫細胞療法がより奏効する可能性があります。今後、ネオアンチゲンを用いた樹状細胞ワクチンなどの臨床試験を通じて、明らかにしていく予定です。

ネオアンチゲン(=患者さん個々のがんで違う遺伝子異常に基づくがんの特徴)

更に詳しい症例解説は下記のURLに記載されています。

https://www.j-immunother.com/dr/case/report043.html

瀬田クリニックグループの症例報告を元に作成(https://www.j-immunother.com/case/

4.症例報告のエビデンスレベル

※エビデンスとは

エビデンス(evidence)は日本語で「証拠」「根拠」という意味を指します。
医療の分野では症例に対して科学的に示した成果のことで、科学的根拠や裏付けとして使われます。

国立がんセンター情報サービスの記載を元に作成(http://ganjoho.jp/med_pro/med_info/guideline/guideline.html

※がん免疫細胞療法について
がん免疫細胞療法とは、身体のなかでがん細胞などの異物と闘ってくれる免疫細胞を患者さんの血液から取り出し、人工的に数を増やしたり、効率的にがんを攻撃するよう教育してから再び体内へ戻すことで、免疫の力でがんを攻撃する治療法です。この治療は患者さんがもともと体内に有している免疫細胞を培養・加工してがんを攻撃する点から、他の治療のような大きな副作用はなく、また抗がん剤や手術、放射線治療など他の治療と組み合わせて行うこともできます。治療の種類にもよりますが基本的には2週間おきに採血と点滴を繰り返す治療となります。当院では、治療に用いる細胞の違いや培養方法の違いにより、樹状細胞ワクチン、アルファ・ベータT細胞療法、ガンマ・デルタT細胞療法、NK細胞療法の四つの治療法を提供しています。


※リスク・副作用について:治療後、ごく稀に「軽い発熱、発疹等、倦怠感」が見られる事がありますが、それ以外、重篤な副作用は見られたことはありません。身体への負担が最小限の治療と考えています。

※治療費について:治療法にもよりますが、1種類の治療を1クール(6回)実施の場合、1,609,200円(税込1,770,120円)~2,209,200円(税込2,430,120円)が目安となります(検査費用は除く)。治療費の詳細はこちら