LSI札幌クリニックは、この度、医療法人社団滉志会 瀬田クリニック東京 院長 瀧本理修を研究責任者とする、新しい抗原ネオアンチゲンを利用した、悪性腫瘍に対するネオアンチゲン由来ペプチド感作樹状細胞ワクチン療法の探索的臨床研究に参加することとなりました。
臨床研究実施計画番号:jRCTc030190182
<News Release 悪性腫瘍に対するネオアンチゲン由来ペプチド感作樹状細胞ワクチンの開始(PDF)はこちら>
1.ネオアンチゲンとは
ネオアンチゲンは文字で「neo=新しい」「antigen=抗原」と書きます。
正常な細胞には発現しておらず、がん細胞だけにみられる目印です。
がん細胞は、通常の細胞が分裂する際に、細胞内の遺伝子がコピーミスを起こすことによって発生するため、遺伝子レベルでキズ(変異抗原)をたくさん持っています。
この遺伝子の異常が、がんの目印(ネオアンチゲン)となってがん細胞の表面に出現します。
また、ネオアンチゲンは患者さんごとに発生する部位は異なるため、一人ひとり目印も異なります。
☑がん細胞だけが持つ目印、ネオアンチゲン。
☑遺伝子変異(キズ)より生まれる。
☑(患者さんごと)個別に目印は異なる。
2.ネオアンチゲン療法とは「遺伝子検査を使用した、オーダーメイドのがんワクチン」
当院で行うネオアンチゲン療法は、正式には「ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン」と言います。
がん細胞のみが持つ目印である新生抗原(ネオアンチゲン)を用いたワクチン療法は、従来型の樹状細胞ワクチン療法より強力な免疫反応を引き起こすことが知られています。
この遺伝子検査による個別化治療は、次世代シーケンサーの登場により、遺伝子変異を解析できるようになりました。
※他の患者さまには使用ができないオーダーメイドのがんワクチンです。
☑遺伝子検査(ゲノム)を使用した、オーダーメイドの個別化医療。
☑がんに対して、強い免疫反応(攻撃力)を引き起こす事が知られている治療。
3.従来の樹状細胞ワクチンとの違い
従来の樹状細胞ワクチンは、多くの患者さんに共通して発現する目印「共通抗原」を使用します。
この共通抗原はがん細胞に発現していますが、正常細胞にもわずかに発現する特徴があります。
この共通抗原が、わずかに正常細胞に発生する事により正常細胞を攻撃する可能性があります。(副作用の可能性)そして、何より「免疫寛容(※)」が働く事により、がんに対してのリンパ球の攻撃が制限されることもあります。
(※)免疫寛容=免疫が自分『正常細胞』を攻撃しない仕組み。
☑従来ワクチンは「共通抗原」を使用するため、副作用やがんへの攻撃力の制限が懸念される。
ネオアンチゲン樹状細胞ワクチンは、がん細胞特異的に発現し、正常細胞には発現していない新生抗原(ネオアンチゲン)を使用します。
この新しいワクチンは、がんのみに発現する新生抗原(ネオアンチゲン)を目印に、リンパ球が攻撃をします。
そのため、免疫寛容による制限を受けることなく、強力な免疫反応を引き起こすことが報告されています。
また、がんのみ発現している目印のため、正常細胞は攻撃も受けません。副作用が少ない免疫細胞療法の中でも、より副作用が少ない個別化医療と考えています。
☑ネオアンチゲン療法は、がん細胞のみが持つ「新生抗原」を使用する事により、強力な免疫反応を起こす。
☑ネオアンチゲン療法は、より副作用が少ない個別化医療。
4.ネオアンチゲン療法に欠かせない樹状細胞の働き(司令塔細胞)
このネオアンチゲン樹状細胞ワクチンには「樹状細胞」が鍵となります。
この樹状細胞という免疫細胞は、それ自体はがん細胞を殺す能力を持っていませんが、がんを殺す能力のある免疫細胞(リンパ球)にがんの目印を伝えて攻撃の指令を与える、「指令塔」的な重要な役割を担っています。
樹状細胞からがん細胞の目印を伝えられたリンパ球は、体内でがん細胞を狙い撃ちにして効率よく攻撃できるようになります。
☑免疫細胞の司令塔、樹状細胞。
☑リンパ球(兵隊)に司令をだし、がんを効率よく狙い撃ちさせる。
☑がん細胞を攻撃する能力は持っていない。
5.その他
【治療の対象となる方】=遺伝子検査にてネオアンチゲンの同定ができた方
【対象のがん種】=ほぼすべてのがん種が治療対象(血液のがんなど、一部を除く)
【治療を受けられない方】
(1)臨床症状のある肺線維症または間質性肺炎を有する患者、またはその素因・既往のある患者。 (2)重篤な薬物アレルギー既往のある患者。 (3)ウイルス検査でHIV抗体が陽性である患者。 (4)重篤な心疾患を有する患者。 (5)活動性の自己免疫疾患を有する患者。 (6)重複腫瘍を有する患者。 (7)コントロール困難な感染症(敗血症、肺炎等)を有する患者。 (8)妊娠中または妊娠の可能性のある婦人、授乳中の婦人。 (9)20歳未満の方 (10)その他、研究責任者または担当医師が被験者として不適当と判断した患者。 |
【リスク・副作用】治療後、ごく稀に「軽い発熱、発疹等、倦怠感」が見られる事がありますが、それ以外、重篤な副作用は見られたことはありません。身体への負担が最小限の治療と考えています。
※本治療は「有償研究」として実施していますので予めご了承ください。(臨床研究実施計画番号:jRCTc030190182)
※LSI札幌クリニックは、特定連携医療機関として「瀬田クリニック東京」と同じ免疫細胞療法を扱っております。
6.医師による免疫相談(対象:がん患者様、がん患者様のご家族・ご友人)
相談料 |
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・主治医紹介状なし=(約30分)=料金はいただいておりません。 ・主治医紹介状あり=(約60分)=16,500円(税込) |
【受付時間】平日(月~金) 9:00~16:00
【ご対象者】がん患者様、がん患者様のご家族・ご友人
【メールでの問合せ】https://www.lsi-sapporo.jp/contact/
【受診される方へ】診察をスムーズにするのための「事前問診表の記入」にご協力ください。問診票(PDF)はこちらをクリック
※医師相談は「完全予約制」となります。
【問合せ電話番号】011-731-6669
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