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(中間報告)免疫チェックポイント阻害剤不応例に対する免疫細胞療法の認容性・有効性に関する検討「第28回日本バイオ治療法学会学術集会」

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2024年12月7日(土)「第28回日本バイオ治療法学会学術集会」で瀧本副院長が瀬田クリニックグループとして「免疫チェックポイント阻害剤不応例に対する免疫細胞療法の認容性・有効性に関する検討(中間報告)」の演題でがん免疫細胞療法に関する発表を行いました。

「免疫チェックポイント阻害剤不応例に対する免疫細胞療法の認容性・有効性に関する検討」臨床試験はこちら≫

※LSI札幌クリニックは、瀬田クリニックグループの(特定連携医療機関)として医療連携を行っております。

以下に、発表内容を抜粋して紹介します。

研究背景

免疫チェックポイント阻害剤(Immune checkpoint inhibitor, ICI)の導入により癌薬物療法の治療成績は改善しつつあるが、抗がん剤やICI不応例に対する有効な治療法はないのが現状である。
当グループではこれまでに、ICIの治療効果を増強する目的で、活性化自己リンパ球療法(αβT細胞療法)との併用療法について2017年から、αβT細胞療法と低用量ICI併用の安全性試験(UMIN:000028756)を開始し、有害事象(irAE)なく安全に実施できることを確認している。この試験において、ICIとαβT細胞療法併用により治療効果が確認できた5例ではPR1例、SD3例を経験した。この結果を受けて現在、低容量ICIと免疫細胞療法併用の有効性に関する臨床研究を実施している(jRCTc031190098~031190101)。
当グループで最近、抗がん剤やICIが無効となった進行腎盂癌症例に対し、ICI終了後51日目から免疫細胞療法(αβT細胞療法)を行ったところ寛解した症例を経験した(Jpn J Cancer Chemother. 52, 2025, in press)。ICIによるT細胞上のPD-1占有率は低容量であっても70%を超えた状態で2ヶ月以上維持されていることが報告されていることから(Brahmer JR., J Clin Oncol. 2010 28(19):3167-75)、本症例ではICIと免疫細胞療法の併用に近い状態であったと考えられた。つまりICI不応となり標準治療が終了しても免疫細胞療法が有効である可能性があると考えられる。
そこで、本研究ではICI不応でベスト・サポーティブ・ケア(BSC)の患者に対しαβT細胞療法を実施し、その忍容性を評価するとともに副次的に有効性、免疫学的反応性について検討することとした(jRCTc030220287)。

結果及び考察

2024年11月現在、11例の症例登録(12月現在,14例)があり、免疫細胞治療による特記すべきirAEを認めず、安全に治療を実施できている。
治療開始時のICI の血中濃度は維持されており、併用療法と同様の効果が期待できると考えられた。
治療前後のT細胞プロファイルを検討したところ、CD8陽性T細胞の有意な増加が認められた。
SD症例のMUSCATアッセイでは、腫瘍関連抗原に対する自己抗体の増加が認められた。免疫細胞療法を行うことにより、免疫応答が増強されている可能性が示唆された。
瀬田クリニックグループは、開院当時から実地医療と併せて研究活動を続けており、こういった場で積極的に研究成果を発表しています。今後も引き続き、最新の研究結果に関する情報発信を行い、がん免疫細胞治療の発展に貢献していきます。

 

 

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