LSI札幌クリニックNewsline

アルツハイマー・パーキンソン病学会(トリノより)

院長の服部です。

話を簡単にするため最初の25症例の結果をお知らせします。これまでの臨床診断では25症例のうち13例が脳内のβアミロイドは陽性と予測されました。しかしFMM PETをとってみるとそのうちの6例はΒアミロイドは陰性であることがわかりました。すなわち専門医の臨床診断によりアルツハイマー病の疑いとされる症例の約半数は実はアルツハイマー型認知症以外が原因である可能性が示されたわけです。

会場では様々な質問を受けましたがタウ蛋白をイメージングするPETへの期待や腰椎穿刺を行い脳脊髄液を分析するべきであると言った様々な診断の向上の方法について議論をしました。結論としては従来の画像診断や臨床診断でβアミロイドの蓄積を予測することがそもそも不可能なのではと言うことになりました。

これは重要なメッセージです。すなわち認知症でβアミロイドの蓄積の有無が知りたい場合にはアミロイドPETをするしかないと言うことになるからです。欧米の先進国では既にそれが当たり前なのですが、残念なことに日本ではアミロイドPETができるのはまだLSI札幌クリニックだけです。この技術ができるだけ早く日本にも広がるように、われわれも努力をしなければなりません。