膵臓がんについて
1.膵臓がんの今(いま)
膵臓がんで亡くなる方が増えています。2017年のがん死亡数予測では、男女合計で、肺がん、大腸がん、胃がんについで第4位、男性では、肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がんについで第5位、女性では、大腸がん、肺がん、膵臓がん(第3位)、胃がん、乳がんという順位になっています。今後、ピロリ菌の除菌が進むに連れて胃がんの割合が減少し、肝臓がんに関してもC型肝炎の特効薬が発売されたことで減少が予想されることより、膵臓がんによる死亡率は更に増すものと考えられます。
2.膵臓がんとは
膵臓は、胃の後ろにある長さ20cmほどの横に長い臓器で、背骨の前に横たわっているイメージです。十二指腸と接し総胆管が貫通する膵頭部、左腎の腹側に存在する膵尾部、その中間部の膵体部に分けられます。
一口に膵臓がんといっても、粘液を分泌して嚢胞性腫瘤を形成するものや、神経内分泌系の細胞から生じたがんなどがあり、病理組織学的に幾つかの種類があります。これらは比較的予後が良いのですが、膵臓がんの90~95%を占める膵管から発生するものは、非常に予後が不良です。
膵臓がんは、がん自体の大きさが数mmほどであっても、周囲のリンパ節や肝臓などの臓器に転移しやすいといった特徴があります。
膵臓がんはたちが悪い上に特徴的な症状が乏しいため、診断の遅れに繋がってしまいます。
膵頭部に発生した場合はがんにより胆管が狭くなるため、黄疸や腹痛といった症状が出現しやすく、比較的早くに発見されることもあります。
膵体部や尾部のがんでは、膵頭部よりも症状が出にくく、診断された時点で手術不能ということも珍しくありません。実際、膵臓がんの切除率は20~40%と低い数字になっており、仮に手術が行えたとしても3年以内に再発する可能性が極めて高く、5年生存率は10~20%程度とされています。
3.膵臓がんの初期症状
膵臓がんの症状は、上記の他に、背部痛、食欲低下、全身倦怠感、体重減少、糖尿病の悪化などがあります。昔、ダイエットを始めたら順調にどんどん痩せて、ダイエットを止めたにもかかわらず体重減少が止まらずに受診された患者さんのエコー検査を行ったところ、膵尾部にがんが発見されたという記憶があります。
4.早期発見の難しい膵臓がんには
では、この「症状も出にくく、たちの悪い膵臓がん」を検診で早期に見つけるためには何をすればよいのでしょうか?
残念ながら、今の時点では決定的と言える検査がなく、転移のない本当の意味での早期膵がんを発見することは難しいと言わざるを得ません。また腹部エコー検査だけでは、膵臓が体の深部に存在するために、太った方では見えにくいですし、一般の方でも膵尾部はあまりよく見えません。腫瘍マーカー検査もある程度の大きさにならないと、異常値を示さないことが一般的です。
膵臓がんの発見率を上げるためには、腹部エコー検査や腫瘍マーカー検査にCT、MRI、PET等の画像診断を組み合わせて実施する事も必要です。
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