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最近よく聞く「エビデンス」とは? 知っておきたい医療用語

最近、SNSなどでもよく目にする「エビデンス」という言葉。
医療の現場では昔からよく使われる言葉ですが、どういう意味なのでしょうか。
今回は医療情報を理解する手掛かりとなるエビデンスについてご紹介します。


エビデンスとは? 一言でいうと「根拠」のこと

エビデンスとは、簡単にいうと「証拠」や「根拠」のことです。医療では、患者さんを対象とした研究などから得られる、治療の有効性や安全性を判断するための科学的な根拠を指します。

治療について「この治療は効く」「すごく効いた」という情報をよく目にすると思いますが、こうした情報は、どのような根拠があるのかによって、その意味が大きく変わります。

医療では、個人の経験や印象だけでなく、科学的な根拠をもとに治療の有効性などを判断します。


エビデンスの確かさには違いがある

エビデンスの確かさを考える上で、研究の方法は重要です。治療の効果を検証する研究には、患者さんを無作為にグループに分けて治療成績を比較する「ランダム化比較試験(RCT)」などがあります。

また、一定の方法で関連する研究を集めて評価するシステマティックレヴューや、複数の研究結果を統計的にまとめる「メタアナリシス」もあります。
こうした研究の位置付けは「エビデンスピラミッド」という図で示されることがあります[1]。

ただし、ピラミッドの上位にある研究なら、必ず信頼性が高いというわけではありません。研究の進め方や対象人数、結果のばらつき、まとめられた研究の質なども含めて判断する必要があります。

 


エビデンスという言葉の難しさ

「エビデンスがある」、といっても根拠となる研究の方法や規模、結果の確かさは様々です。研究があるかどうかだけでなく、何がどの程度わかっているかを確認することが大切です。

すべての治療について、十分な研究が行われているわけではありません。十分な研究がないことと、研究によって効果がないと示されたことは異なります。ただし、十分な研究がない段階では、効果があるとも判断できません。

「現時点で何がわかっていて、何がまだわかっていないのか」を知ることが治療を考える上で重要です。


「エビデンスを知る」―医療情報をより正確に理解するために―

インターネット上の情報、インフルエンサーの発信、知人の体験談やお話などから、さまざまな医療情報に触れることがあると思います。
エビデンスはその情報を見極めるうえで重要な手がかりです。

その医療情報にはどのようなエビデンスがあるのか、研究は行われているのか、誰がどのような根拠をもとに発信しているのか。
エビデンスという言葉を知ることが、医療情報を集めている皆様の一つの手がかりになれば幸いです。

【参考文献】
[1]Kitamura Y, Konya C. Attitudes, expectations, and lived experiences of cancer patients receiving dendritic cell vaccine therapy in Japan. Asia Pac J Oncol Nurs. 2023;10(12):100317. doi:10.1016/j.apjon.2023.100317.