LSI札幌クリニックNewsline

免疫細胞療法は本当に安全?


がん治療を考えるとき、まず「治療の効果」が気になるかと思います。
しかし、それ以上に重要なのが「安全性」です。

今回は安全性について医療ブログでまとめてみました。


免疫細胞療法の一般的な安全性について

当院で行なっている免疫細胞療法は、再生医療等安全性確保法上の第三種再生医療等に分類されます。

再生医療等は、使用する細胞の種類や加工方法に基づくリスクに応じて、「第一種・第二種・第三種」の3つに分類されています。
第三種再生医療等の多くは制度上、比較的リスクが低いものとして分類されています。

ただし、第三種に分類されていること自体が、個々の安全性を保証するもではありません。
自由診療で行われる免疫細胞療法の安全性を確認するためには、3つのポイントがあります。
今回はそれを説明いたします。


【ポイント1】 安全性試験の有無

免疫細胞療法は、治療の組み合わせや培養方法、管理体制によって、安全性が異なります。

そのため、「実際にその治療の安全性試験が行われているのか」を、提供医療機関ごとに確認することも重要です。

当院の免疫細胞療法については、3,839人の悪性腫瘍患者様、総投与数31,890件を対象とした大規模な安全性試験が行われています。

その結果、治療に関連する重篤な有害事象はほとんど認められず、多くの患者様で安全に実施されたことが報告されています。[1]


【ポイント2】 どこで培養しているのか

通常のがんの標準治療では、医薬品や医療機器などについて、製造や品質管理に関する一定のルールが定められており、そのルールに基づいて管理されています。一方、自由診療で行われる免疫細胞療法では、製造・品質管理のルールは一律ではありません。

そのため、どこで、どのような管理のもとで細胞を培養・加工しているのかを確認することが重要です。(再生医療新法に基づく届出は義務付けられていますが、実際の管理体制は施設によって様々です。)

当院の治療は、メディネットの細胞加工施設で細胞の培養・加工を行っています。

メディネットは、24時間の設備モニタリングや製造工程での品質チェックなど、細胞の品質を管理する体制を整え、約20万件に及ぶ無事故での製造実績がある、再生医療分野の大手細胞加工会社です。
メディネットがこれまで積み重ねてきた安全管理体制への信頼があるため、当院は免疫細胞療法を安定的に提供することができています。

メディネット|品川細胞培養加工施設(品川CPF)・製造体制


【ポイント3】 医療機関の管理体制と医師の専門性

安全性を確保するには、実際に患者様へ治療を提供する医療機関にも、適切な管理体制が必要です。

免疫細胞療法を行う場合には、患者様の病状や、受けられている標準治療との関係を踏まえて、治療を判断することが重要になります。

それには、治療を行う医師自身が、「がん治療」「免疫療法」「再生医療」について適切な知識を持っていることも大切です。

瀧本理修医師|経歴・専門・資格|LSI札幌クリニック


患者さんの体内へ投与する治療には、徹底した品質管理が重要

近年、第三種に分類される免疫細胞療法でも、実際に治療に伴う事故が報告されています。

免疫細胞療法は、培養・加工した細胞を注射針で患者様の体内へ直接投与する治療です。

人の体内へ直接投与する治療だからこそ、安全性には徹底した品質管理が重要です。
以上の3つのポイントは、最低限必要なことと考えています。


【まとめ】
免疫細胞療法の安全性には3つのポイントがあります。

1つ目は、安全性試験が行われているのか。

2つ目は、どこで細胞を培養しているのか。

3つ目は、どんな管理体制の医療機関で、誰が治療を行うのか。

実際に免疫細胞療法をご検討される場合、こうしたポイントを押さえた上で、治療を選択されることをおすすめします。

【参考文献】
[1]Takimoto R., et al., Safety evaluation of immune-cell therapy for malignant tumor in Cancer Immune-cell Therapy Evaluation Group (CITEG). Cytotherapy. 2023;25(11):1229-1235. doi:10.1016/j.jcyt.2023.06.007.

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【がん免疫細胞治療とは】
がん免疫細胞治療とは、身体のなかでがん細胞などの異物と闘ってくれる免疫細胞を患者さんの血液から取り出し、人工的に数を増やしたり、効率的にがんを攻撃するよう教育してから再び体内へ戻すことで、免疫の力でがんを攻撃する治療法です。
【リスク・副作用について】
免疫細胞治療は患者さん自身の免疫細胞を治療に用いるので、軽い発熱、発疹等が見られる場合がありますが、それ以外は重篤な副作用は見られず、身体への負担がほとんどありません。
【費用について】
治療にかかる費用は、1クール(6回投与)実施の場合、治療法にもよりますが、およそ1,800,000円(税込1,980,000円)~3,943,700円(税込4,338,070円)が目安となります(検査費用は除く)
※がん免疫細胞治療は自由診療(自費診療)です。健康保険は利用できません。