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「医療ブログ」肺がんについて

肺がんについて(LSI)

 

1.がん部位別死亡率1位の肺がん

肺癌表(H27)

肺がんは男女合わせた全がん死の中でも最多を占め、男性では第一位、女性では大腸がんについで第二位となっています(2015年のデータ)。そして、2020年までの部位別罹患率の予想では、肺がんは男性および女性ともに増加傾向が示されています。

2.小細胞がんと非小細胞がんに分けられる「肺がん」

肺イラスト01

一般的には肺がんとして、ひとくくりにして言及されることが多いのですが、医師の立場からは治療の方向性から、小細胞がんと非小細胞がんに分けられることが一般的です。

小細胞がんは肺がんの約20%を占め、喫煙との関連性が大きく、ほとんどが喫煙者となっています。悪性度が高く、急速に増大・進展する傾向にあります。また、リンパ節転移や血行性に脳や肝臓、骨など多臓器にも転移しやすいため、発見された時点で進行がんということも少なくありません。手術は適応にならないことが多く、放射線療法、薬物療法による治療が一般的です。放射線療法、薬物療法に対する効果は高いのですが、多くは再発するために予後はあまり良くありません。

一方、非小細胞がんは、扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんに分類されます。腺がんは肺がんの約60%を占め、肺の奥に発生しやすく、女性の肺がんで多い、症状が出にくいなどの特徴があります。扁平上皮がんは、肺の入口近くに発生しやすく、ほとんどが喫煙者という特徴があります。

3.肺がんの治療方法

 

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がんの治療法としては、手術療法、放射線療法、薬物療法(抗がん剤)、免疫療法などがあります。また、治療方針を決める因子としては、主にがんの種類(組織型)や遺伝子の型、がんのステージ(病期)が中心となりますが、患者さんの体力、治療に対する希望、心肺機能なども方針決定の重要な要素となります。

手術療法は、非小細胞がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)で優先され、放射線療法と薬物療法は、小細胞がんで優先されます。

薬物療法に関していうと、従来の抗がん剤はがん細胞のみならず、正常な細胞も殺すものでした。しかし、近年では薬物療法も随分と進歩しました。というのも、遺伝子やDNAの塩基配列が調べることができるようになり、がん細胞のどこに異常があるのか(遺伝子変異)わかるようになってきたからです。これを利用したのが「分子標的治療」です。分子標的薬には、「上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異」に効果のある薬剤(EGFRチロシンキナーゼ阻害剤)、「ROS1融合遺伝子」に効果のある薬剤(ROS1チロシンキナーゼ阻害剤)、「未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子」に効果のある薬剤(ALKチロシンキナーゼ阻害剤)などが存在します。これらの遺伝子変異をターゲットとした治療が可能となり、患者さん一人ひとりに合った「個別化治療」ができるようになりました。

肺がんの予後ですが、非小細胞がんではステージⅠでも腫瘍の大きさが3cm未満のⅠAですと5年生存率は90%です。とくに1cm以下の場合は、ほぼ100%の生存率です。

ところが小細胞がんでは限局型であっても5年生存率は20~25%、進展型では3年生存率が5~10%と極めて予後不良です。

4.肺がんは早期発見が肝心

レントゲンでは肺がん早期発見が難しい

以上みてきたように、肺がんが非小細胞がんか、小細胞がんかで予後は決まってしまいますが、それでも肺がんの余命を長くするためには早期発見が肝腎であることは間違いありません。

肺がん検診に関しては、毎年胸部X線写真を受けているので大丈夫と思っている方が多いと思いますが、それは大きな間違いです。肺がんの大きさや細胞密度、何処に存在しているかなどで、早期に発見できないこともしばしばです。とくに肺門部近くに存在している場合はわかりにくく、喀痰細胞診も合わせて行うのが良いと思います。

とくに喫煙者でがん家系の方は、40歳を過ぎたらPETとCT検査が組み合わさったPET-CT検査を定期的に受けていくことをお薦めいたします。詳しくは当クリニックのホームページを御覧ください。

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―この記事を書いた人―

<名前>斉藤 泰博
<資格・経歴>
医療法人 新産健会 副理事長
放射線専門医・内科医


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