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帯状疱疹ワクチンは認知症予防にもつながる?最新研究からわかっていること

先日の新聞でも、「帯状疱疹ワクチンを接種した人は、認知症のリスクが低いのではないか」という海外の研究が取り上げられました。

当院で扱う不活化ワクチン(シングリックス)は、帯状疱疹を防ぐ力が高いワクチンです。そのうえ、認知症のリスクを下げるかもしれないという研究結果も出てきています。「予防できる」と言い切れる段階ではありませんが、わかっていることを整理してお伝えします。

そもそも帯状疱疹とは

子どものころにかかった水ぼうそうのウイルスは、治った後も神経の奥に潜んでいます。加齢や疲れ、ストレスで免疫力が落ちると再び活動し、体の片側にピリピリした痛みと水ぶくれが出るのが帯状疱疹です。80歳までに3人に1人が発症するといわれ、50歳を過ぎると発症率も重症度も上がります。

皮膚の症状が治った後も、神経の痛みが半年から1年以上続く「帯状疱疹後神経痛」が残ることがあり、眠れないなど生活に支障が出る方もいます。

認知症との関係:世界で報告が相次いでいます

帯状疱疹ワクチンを接種した人は認知症になりにくい、という研究が、有名な医学誌に相次いで掲載されています。

  • 生ワクチン:英国ウェールズの約28万人で、7年間に認知症と診断される割合が約20%低い(Nature 2025年)
  • 不活化ワクチン(シングリックス):米国の65歳以上・約33万人で、認知症のリスクが51%減少。内訳はアルツハイマー型認知症52%減、脳血管性認知症55%減(Nature Communications 2026年)

複数の研究をまとめた解析でも、リスクが3割前後下がったと報告されています。

なぜ、不活化ワクチン(シングリックス)をおすすめするのか

  • 帯状疱疹を防ぐ力が高い:50歳以上で約97%、70歳以上でも約90%の予防効果が報告されています。
  • 効果が長く続く:2回の接種で、11年以上の予防効果が見込まれています。
  • 認知症の研究でも、不活化ワクチン(シングリックス)で大きな差が出ている:認知症のリスクが51%減少したという結果が報告されています。
  • 免疫が低下している方も接種できる:ウイルスを弱めた生ワクチンと違い、不活化ワクチン(シングリックス)は病原性のない成分だけを使います。

おすすめは「50歳ごろから」です

不活化ワクチン(シングリックス)は、50歳以上の方が接種できます。当院では、50歳ごろからの接種をおすすめしています。理由は3つです。

  • 帯状疱疹は50歳代から増えはじめる:発症する前に備えることができます。
  • 認知症は、症状が出る何年も前から脳の変化が始まるとされている:研究の対象は主に65歳以上ですが、もしワクチンに脳を守る力があるなら、変化が進む前のほうが望ましいのでは、という考え方ができます。(これは現時点では仮説です)
  • 公費助成の対象になるのは、65歳などの節目の年齢から:それまで待つ間も、帯状疱疹にかかるリスクは続きます。

もちろん、65歳以上の方も、ぜひ接種をご検討ください。

ただし、わかっていないこともあります

誤解のないよう、現時点での限界もお伝えします。

  • これらの多くは、すでにある診療データを分析した観察研究です。ワクチンを受ける人は健康意識が高い、といった影響を完全には取り除けません。
  • 認知症を防ぐ仕組みはまだ解明されていません。「脳の神経に炎症を起こすウイルスの活動を抑える」「ワクチンで免疫が活性化し、認知症に関わる物質が除かれる」といった仮説の段階です。
  • 最初に大きな成果が示された研究は、生ワクチンの接種者が対象でした。
  • 専門医からも、「あくまで感染症予防が第一の目的。認知症予防は、おまけとして考えるべき」という声があります。

帯状疱疹を防ぐ。そのうえで、認知症のリスクも下がるかもしれない。そのくらいの受け止めが、現実的でちょうどよいと考えています。

不活化ワクチン(シングリックス)の基本情報

  • ワクチンの種類:不活化ワクチン(シングリックス)と生ワクチンがあります。当院では、2回の接種で11年以上の予防効果が見込まれている不活化ワクチン(シングリックス)を提供しています。
  • 対象:50歳以上の方 / 18歳以上のリスクの高い方
  • 回数:不活化ワクチン(シングリックス)は通常2回接種(2か月以上の間隔をあけます)
  • 公費助成:当院では公費助成での接種は受け付けておりません。ご了承ください。
    ※自費(自由診療)での接種のみとなります。
  • 費用:1回あたり24,200円(税込) / 2回で48,400円(税込)
  • ご注意:生ワクチンに比べて、接種部位の痛み・腫れ、発熱、だるさなどの副反応が出る頻度は高いとされています。多くは数日で治まりますが、まれに重い副反応が起こることもあります。接種は2回必要で、費用も生ワクチンより高めです。
  • 接種できない方:発熱している方、重い急性の病気にかかっている方、ワクチンの成分で強いアレルギーを起こしたことがある方など。接種前に診察で確認します。

まとめ

  • 不活化ワクチン(シングリックス)は、帯状疱疹を約9割以上防ぎ、効果が11年以上見込まれるワクチン
  • 認知症のリスクが51%減少した、という海外の報告も出てきた(ただし、まだ「かもしれない」の段階)
  • 帯状疱疹は50歳代から増えるため、50歳ごろからの接種がおすすめ
  • 副反応や費用は事前に確認し、医師と相談して決める

接種のご予約やご質問は、お気軽に当院へご相談ください。

LSI札幌クリニック
公式サイト:www.lsi-sapporo.jp
TEL:0120-151-866

参考:Nature(2025)ウェールズ研究/Nature Communications(2026)/北海道新聞(2026年10月4日付)/GSK発表(2025)
※本コラムは一般的な情報提供を目的としたものです。接種の可否や時期については、医師にご相談ください。