LSI札幌クリニックNewsline

―免疫とがんを知る―自分に合った治療を選ぶために


免疫療法には「合う種類」があります

全てに効く万能な免疫治療があればいいのですが、免疫を細かく理解すると実はそうではありません。

そのために、当院では数種類の免疫療法を用意し、

・免疫を知る
・がんを知る
・免疫サイクルを知る

という流れで、患者さんのお体ががんの状況に応じて、治療を選択しています。

今回はこちらについて説明いたします。


まず免疫を知る

まず、自分自身の免疫の状態を知ることが重要です。
免疫にはさまざまな種類の細胞があり、それぞれ役割が異なります。

当院ではフローサイトメトリー(FCM)に基づく免疫機能検査を行い、T細胞、NK細胞、NKT細胞、制御性T細胞など解析をします。

このように、免疫状態を把握することが、治療方針を考えるうえで重要な手がかりになります[2]。

※ 免疫の力を生かした治療を選択する場合は、「Q3.(がん免疫細胞療法は)何種類もやったほうが免疫状態は良くなりますか?」をご確認ください。


その後、がんを知る

がん細胞は、自分の表面に 目印(がん抗原) を出しています。
免疫細胞はこの目印を見つけて攻撃します。

その性質を生かし、当院ではまず HLA検査 で「どの目印が使えるか」を調べ、次に 免疫染色(IHC) で「どの目印に攻撃が通りやすいか」を確認します。

つまり、がんの「弱点」を知ることも重要な検査です[5]。

詳しく知りたい方は、瀬田クリニックのサイト『検査に基づく最適な治療法の選択』をご覧ください。


そして、免疫サイクルを知る

免疫は「免疫サイクル」と呼ばれる一連の流れでがんを攻撃します。
今の免疫治療はこのサイクルが重要なkeyを担っています。

この流れのどこに問題があるかによって、適した治療は変わると考えられています[1]。

そのため、当院では数種類の免疫療法を用意し、
検査を行い、患者さんの免疫の状態と、がんの特徴を調べたうえで治療方法を検討しています。


あなたに合わせた治療を組み立てる

以上のことから、免疫療法を検討する際には、

・免疫を知る
・がんを知る
・免疫サイクルを理解する

が重要な鍵と考えています。

当院では、これらの情報をもとに、どの免疫細胞療法が最も効果的かを判断し、患者さん一人ひとりの免疫状態とがんの特徴に合わせて、現在考えうる最良の治療を組み立てています。


(新しい、評判よりも)その人にとって最適な治療

新しい治療が出る事は非常に喜ばしい事です。
新治療は可能性も感じますし目を惹きやすいです。
最近でも、近年でも光免疫療法などの相談をいただきますが、

その新しい治療法が全てのがん患者さん使えるというわけではありません。

患者さんのがんの性質を理解し、何があっているのか?これを理解することが
がん治療に一番大切なポイントだと考えています。


参考文献

[1] Daniel S. Chen & Ira Mellman, The Cancer-Immunity Cycle, Immunity, 2013
[2] Noguchi A. et al., International Immunopharmacology, 2014
[3] Shigenori Goto et al., Adoptive Immune-Cell Therapy for the Treatment of Neuroendocrine Carcinoma of the Uterine Cervix, Anticancer Research, 2020
[4] Alessandro Sette, HLA class I molecules and antigen presentation, Annual Review of Immunology
[5] Natarajan K, et al., Antigen processing and presentation, Nature Reviews Immunology