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「再生医療の未来と、瀬田クリニックの免疫細胞療法」 - YOKOHAMA宣言2025を踏まえた自由診療における免疫細胞療法の取り組み -


いつもLSI札幌クリニックHPのご利用を頂きありがとうございます。 

LSI札幌クリニック理事長の杉江です。
令和7年6月4日に瀬田クリニックが運営するCITEG研修会に参加させていただきました。
その際に多くの示唆を得ましたので、

そこで今回は、これまでの経験や蓄積された情報を踏まえ、私が信頼を寄せている瀬田クリニックの治療についてお話ししたいと思います。

1.瀬田クリニックの免疫細胞療法

なぜ当院が瀬田クリニックの免疫細胞療法(自由診療)を採用しているかというと、長年の実績や豊富なデータに加え、科学的根拠に基づく安全で効果的な治療体制を高く評価しているためです。以下、その理由を具体的にお伝えします。

【25年以上の治療経験と23,000人超の症例データ】
瀬田クリニックは1999年の開院以来、25年以上の経験があります。治療を受けた方は23,000人以上にのぼります。

【安定した品質と培養細胞数の確保】
治療に使われるアルファ・ベータTという細胞は5種類を含み、平均で65億個の安定した数と品質を保ち培養しています。培養数が規定に満たない場合には返金制度も設けられています。

【80本以上の共同研究論文】
瀬田クリニックでは80本以上の共同研究論文が発表されており、安全性や有効性について一定の評価がなされています。

【安全であること】
細胞の加工は医薬品製造と同レベルの管理体制で行われており、1999年の開院以降、医療事故の報告がありません。また安全性に関する論文報告も行なっています(Cytotherapy 25, 2023)。

【検査に基づく患者さんごとに最適な治療法の選択(個別化医療の推進)】
免疫細胞療法の効果を高めるには、患者さんの免疫状態や治療の適合性を確認する事前検査が重要です。

例えばWT1抗原に代表される樹状細胞療法では、HLA型の確認や免疫染色検査が重要で、これを行わなければ治療の適応や効果の予測はできません。

検査なしで進めると、自由診療として費用がかかるにもかかわらず、効果が不明確で費用対効果が低くなるリスクがあります。

瀬田クリニックでは適切な検査を実施し、治療の必要性と有効性を見極めた上で提供しています。

2.再生医療の現状と「YOKOHAMA宣言2025」

2025年3月、日本再生医療学会より「YOKOHAMA宣言2025」が発表されました。

近年、幹細胞治療をはじめとした様々な再生医療が注目されていますが、私たちが提供する免疫細胞療法も「再生医療」の一つです。

しかし、日本では「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法、ASRM)」に基づき、科学的検証が十分でないまま提供される再生医療が広がっていることが国際的にも懸念されています。

この宣言では、再生医療の質と安全性を高めるために、

・検証型診療(Explorative Therapy):効果や安全性をしっかり記録・確認しながら行う治療
・無検証診療(Uninvestigated Therapy):効果や安全性の確認が十分でないまま行われる治療

を明確に区別する方針が示されています。
瀬田クリニックの免疫細胞療法は、これまでに蓄積されたデータをもとに「検証型診療」として認められるよう準備を進めており、LSI札幌クリニックもこの取り組みに協力しています。


※「YOKOHAMA宣言2025」は、日本再生医療学会が2025年3月に発表したもので、再生医療の質と安全性を高めるため、「検証型診療」と「無検証診療」を明確に区別する必要性を示した声明です。 (出典:日本再生医療学会 https://www.jsrm.jp/news/news-16112/

3.最後に

ここまでお話ししましたが、
決して瀬田クリニックだけを特別に推薦するつもりはありません。

私たちが大切にしているのは、しっかりとした基準に基づいた自由診療の治療を、地域の皆さまに安心して受けていただくことです。
こうしたしっかりした体制の基に提供されている治療を瀬田クリニックに限らず、北海道の皆さまに提供していきたいと考えています。

自由診療には様々な選択肢がありますが、今後も、患者さんに対し科学的根拠※に基づいた医療をお届けできるよう努めてまいります。

ここでいう「科学的根拠」とは、標準治療におけるガイドラインレベルのエビデンスとは異なり、研究論文や症例データなどを基に、一定の基準を満たす形で示された根拠を意味しています。

【がん免疫細胞治療とは】
がん免疫細胞治療とは、身体のなかでがん細胞などの異物と闘ってくれる免疫細胞を患者さんの血液から取り出し、人工的に数を増やしたり、効率的にがんを攻撃するよう教育してから再び体内へ戻すことで、免疫の力でがんを攻撃する治療法です。
【リスク・副作用について】
免疫細胞治療は患者さん自身の免疫細胞を治療に用いるので、軽い発熱、発疹等が見られる場合がありますが、それ以外は重篤な副作用は見られず、身体への負担がほとんどありません。
【費用について】
治療にかかる費用は、1クール(6回投与)実施の場合、治療法にもよりますが、およそ1,800,000円(税込1,980,000円)~3,943,700円(税込4,338,070円)が目安となります(検査費用は除く)
※がん免疫細胞療法は自由診療(自費診療)です。健康保険は利用できません。