最新がんリスク要因 38%(2026)

2026年、Nature Medicineにがんと生活習慣の関係を大規模に解析した研究が報告されました¹。
この研究では、世界185か国・36種類のがんを対象に、
喫煙、飲酒、肥満、感染などががん発生にどの程度関与しているかが評価されております。
がんの要因は約38%
この論文では、がんの約38%が修正可能なリスク因子と関連していると推計されています。
これは、それぞれのリスク因子がどの程度がん発生に関与しているかを統計的に評価した結果です。
主なリスク因子(寄与の大きい順)
1位:喫煙
最も大きな因子。肺がんを中心に、多くのがんに関与。
2位:飲酒
食道がん、肝がん、乳がんなどと関連。喫煙と重なるとリスク上昇。
3位:肥満
大腸がん、子宮体がん、乳がん(閉経後)などと関連。
4位:感染
肝炎ウイルス、ピロリ菌、HPVなど。特定のがんと強い関連。
5位:運動不足
大腸がん、乳がんなどと関連。他の因子と重なって作用。
ランク外の重要な要因
食事(加工肉・高塩分)
大気汚染
職業曝露(アスベストなど)
これらは上位因子に比べると寄与は小さいものの、
特定のがんや環境においては無視できない影響を持つとされています。
修正可能なリスク要因
この論文の興味深い所は、
これらの要因が、がんのリスクの中で「修正可能なリスク因子」として整理されている点です。
これは、年齢や遺伝とは異なり、
介入や予防によって影響を変え得る要因として整理されているということです。
免疫とがんの関係
人の体には、がん細胞を見つけて排除しようとする免疫の働きがあります。
一方で、がんはその働きをすり抜けて増えることもあるとされています。
また、喫煙や肥満、感染などは、体の炎症や免疫の状態に影響を与えることが指摘されています。
このように、今回の論文で示されたリスク因子は、免疫の状態とも関係しながら、
がんの発生に関わっていると考えられています²。
鍵を握る2つの視点
このデータから見えてくるのは、「タバコ」と「ウイルス・菌」への対策の重要性です。
・タバコを吸わない(吸わせない環境)
・ウイルスや菌への対策(ワクチンや除菌)
この2つは、がん予防の中でも重要な対策と考えられます。
そんな考え方が、今後世界で広がっていきそうですね。
ここで重要ポイント
この数字はあくまで疫学的手法によって、「どの程度関係しているか」を示した数値です。
そのため、「生活習慣を変えれば38%防げる」という意味ではありません。
でも、こうして数値で示される研究は、とても参考になりますね。
皆様もこのがん要因の情報を是非参考にされてください。
参考文献
1. Fink H, Langselius O, Vignat J, et al.
Global and regional cancer burden attributable to modifiable risk factors to inform prevention.
Nature Medicine. 2026.
doi:10.1038/s41591-026-04219-7
2. Schreiber RD, Old LJ, Smyth MJ.
Cancer immunoediting: integrating immunity’s roles in cancer suppression and promotion.
Science. 2011.