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見つかりづらい大腸がん

見つかりづらい大腸がん

平成27年のデータによると、全死因のうち悪性新生物(がん)の占める割合は28.7%でした。男性では、肺がん、胃がんについで第3位、女性では大腸がんが第1位で、以下、肺がん、胃がんの順番となっています。男女を合わせると、肺がん、大腸がん、胃がんの順になります。そして驚くべきことに、この30年で大腸がんの患者数はおよそ5倍にも増えています。

ちなみに、大腸とは小腸に近い順に、「盲腸」「結腸」「直腸」の3つの部位が含まれます。

では、なぜ大腸がんが増えてきたのか?まずその理由の一つとして、タカアンドトシではありませんが、食生活の欧米化、ライフスタイルの欧米化が挙げられます。牛肉や豚肉などの赤身の肉や加工肉を多く摂取すると、それを消化するために肝臓から多くの胆汁酸が出るようになります。この胆汁酸が腸内の細菌によって2次胆汁酸となった時に発がん性を生じると考えられています。

もう一つの理由としては、大腸がんには特有の症状がないことが挙げられます。早期の段階では症状はほとんどありません。進行すると、下血、血便、便秘と下痢を繰り返す、便が細くなる、残便感、お腹が張る感じ、貧血、お腹にしこりが触れるなどの症状が出てきます。

ですから、大腸がんは検診や人間ドックを受けて早期に発見する必要があります。検診の中でも一般的によく行われているのが「便潜血法」です。「2回法」が一般的ですが、1~3回、それぞれ別の日の便を採取して、その中に血液が混入しているかを調べます。もしも、陽性であれば精密検査を受けることになります。この検査で陽性になる率は約6~7%と言われています。もちろん陽性であっても、大腸がんの他に潰瘍性大腸などのような大腸炎症性疾患、内痔核・外痔核、切れ痔などでも陽性となります。

便の潜血反応が陽性で、実際に大腸がんが発見される率はといえば3~4%に過ぎません。そんなに低確率でしか発見されないのなら大腸内視鏡検査を受けなくてもよいのではないか?という人もいるかもしれません。しかし、この検査を受けることによって、10~15%の方に内視鏡的に切除可能なポリープも見つかりますので、必ず精密検査を受けられることをお薦めします。

一方、大腸がんができているのに、便潜血が陽性にならない人も14~15%ほどいます(進行がんで10%、早期がんで50%)。しかし、毎年検診や人間ドックを受けることで、翌年や翌々年には陽性となることもあります。大腸がんは1年では急速に大きくならないことがほとんどですから、やはり定期検診・定期人間ドックを受け続けることが必要ということになります。

とくに女性では大腸がんが、がん死亡率の第一位です。とかく乳がんが注目されがちですが、死亡率は大腸がんの方が高いのです。大腸内視鏡検査を受けることに躊躇する気持ちはよく理解できますが、このブログでも何回も書いているように早期発見、早期治療が何よりも大切です。早期発見されれば、経内視鏡手術でほんの数日での退院が可能です。



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