お知らせ

【論文発表】瀧本副院長が筆頭著者を務めた個別化ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法に関する論文が『Anticancer Research』に掲載されました

 当院の瀧本理修副院長が筆頭著者(First Author)として参加した「固形がんに対する個別化ネオ抗原パルス樹状細胞ワクチン療法に関する臨床研究の安全性および中間解析結果」が、国際医学雑誌『Anticancer Research』に掲載されましたのでお知らせいたします(*1)。

 本研究は、瀬田クリニックグループ、順天堂大学、LSI札幌クリニック等の研究体制で実施され、固形がん患者に対する同治療の安全性および予備的有効性について評価した中間解析の成果となります。

 本研究では、患者さん一人ひとりの腫瘍に存在する遺伝子変異(ネオアンチゲン)を次世代シークエンサーで解析し、その患者さん専用の樹状細胞ワクチンを作製・投与しました。解析対象となった 27 例では、重篤な治療関連副作用は認められず、安全性は良好でした。

 また、病勢が進行せず維持できた患者さん(病勢コントロール率)は 44.4%であり、解析時点では全生存期間中央値には到達していませんでした。
さらに、免疫解析では、がん免疫を抑制すると考えられている制御性 T 細胞(Regulatory T cells:Treg)が有意に減少しており、本治療が腫瘍免疫環境を改善する可能性が示されました。本研究は中間解析であり、症例数も限られていますが、個別化がん免疫療法の安全性と有望な治療効果を示す結果となりました。

 今後さらに症例を蓄積し、本治療の有効性を検証してまいります。

[今回の報告内容]
・進行固形がん患者を対象とした個別化ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法の中間解析をおこないました。
・患者さんごとの遺伝子変異(ネオアンチゲン)を解析し、オーダーメイドの免疫細胞療法を実施しました。
・2025 年 11 月末までの登録症例は 36 例で、治療を実施できた 27 例を解析対象としました。
・Grade2 以上の治療関連副作用は認められず、安全性は良好でした。
・病勢コントロール率(CR+PR+SD)は 44.4%でした。
・生存期間中央値は解析時点で未到達でした。
・制御性 T 細胞(Treg)が有意に減少し、免疫抑制環境の改善が示唆されました
・今後はさらに症例数を増やし、有効性を前向き試験(*2)で検証予定です。

 今回の研究では、患者さんごとの遺伝子変異に合わせて作製する個別化ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法が、高い安全性を示すとともに、進行固形がんに対して有望な治療効果を示す可能性が確認されました。

 特に、がん免疫を抑制する制御性T細胞の減少が認められ、本治療が免疫環境を改善することが示唆されました。

 本研究は中間解析であり、現時点で有効性を最終的に結論づけるものではありません。しかし、安全性を確認しながら臨床的有効性が期待できる結果が得られたことは、今後の個別化がん免疫療法の発展に向けた重要な一歩であると考えています。

論文タイトル: Safety and Preliminary Efficacy of Personalized Neoantigen-pulsed Dendritic Cell Vaccination in Patients With Solid Tumors: An Interim Analysis

掲載雑誌: Anticancer Research

著者: 瀧本 理修 他

参加施設: 瀬田クリニック東京、順天堂大学 次世代細胞・免疫治療学、LSI札幌クリニック、福岡メディカルクリニック、堂島リーガクリニック

Pubmed ID:42527050

(*1)Safety and Preliminary Efficacy of Personalized Neoantigen-pulsed Dendritic Cell Vaccination in Patients With Solid Tumors: An Interim Analysis
Anticancer Research August 2026, 46 (8) 4699-4706; DOI: https://doi.org/10.21873/anticanres.18326

(*2)悪性腫瘍に対するネオアンチゲン由来ペプチド感作樹状細胞ワクチン療法の探索的臨床研究(jRCTc030190182)