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「医療ブログ」ダウン症と日本の課題

ダウン症と日本の課題

 

「ダウン症の子供は天使」とよく言われます。それはひじょうに穏やかで、微笑んでいるように見えるからだと思います。

ダウン症の正式名はダウン症候群です。最初の報告者であるダウン医師の名前から命名されました。21番目の染色体が1本多いので、“21トリソミー”とも呼ばれます。どの国でも約800人から1,000人にひとりの割合で生まれます。

一度ダウン症の子を見れば印象的な特徴のある顔貌をしているので、その次に別のダウン症児に会ったときでもすぐに分かると思います。例えば、切れ上がった目尻や、比較的くっきりした2重まぶた、鼻が低くて顔が平坦、後頭部が絶壁となっているなどです。

その他、ダウン症の主な症状は、全身の筋肉の緊張が弱く運動機能が低い、心身の成長がゆっくり目、知的な発達の遅れ、先天性心疾患などがあります。

今回ダウン症について書こうと思ったのは高年齢出産が増えているからです。妊婦の年齢が上がると、ダウン症児が生まれてくる確率は急激なカーブを描いて上昇します。とあるサイトによると(文献は示されていない)、20歳の妊婦がダウン症児を出産する確率は1/1667、30歳では1/952、40歳では1/106、45歳では1/30、49歳では何と1/11というものでした。初産婦と経産婦ではダウン症児が生まれてくる確率はほぼ変わりませんが、最近ダウン症児が増えている要因は晩婚化と出産の高齢化にあると思います。

ダウン症の出生前検査法としては、エコー検査を始め、母体血清マーカーテスト、羊水検査、絨毛検査、新出生前検査などがあります。しかし、どの検査も100%の判断が付けられるというものではありませんし、流産のリスクであったり、またそれなりの費用もかかります。

もし検査で異常の結果が出た場合、約97%が妊娠中絶を選択するのだそうです。子供の将来が不安だったり、経済的問題、育てていく自信がないなど理由はさまざまのようです。当然のことだと思います。しかし、中絶は母体保護法により21週までしかできませんし、命を選択するという精神的な負担を科してしまうことも考えられます。また、次回の妊娠に影響を及ぼすリスクもあります。

当然ながら、ダウン症として生まれてきた子供に罪はありません。これは両親も同様です。ですから、社会がしっかりとサポートしていく体制を作ることが不可欠です。先日観たテレビでも、ダウン症の青年がとても理解のある会社の中で、一社会人として一生懸命に働く姿が放映されていました。

今、日本では女性の社会進出がどんどんと増えています。女性の活躍は社会を活性化します。それはそれで、大変素晴らしいことです。一方で、少子高齢化が進んでいるのも事実です。また、男女ともに晩婚化が進んでいます。女性の晩婚化と高齢出産はダウン症児が生まれてくる確率をあげるばかりか、出産自体のリスクも相当高くなるという事実も知っておく必要があります。

女性が子供を生み育てるためには、それなりの経済基盤と保育施設など社会環境の整備が必要です。さらに、たくさんの子供を生んで育てることをあまり望まぬ女性が増えているようにも感じます。

これらの問題を解決することは容易なことではありません。超難解な方程式を解くようなものです。しかし、何らかの手を打っていかないことには、日本という国が沈没してしまいます。

総選挙も終わった今、スピード感を持って取り組んで欲しいと切に願っています。

 

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―この記事を書いた人―

<名前>斉藤 泰博
<資格・経歴>
医療法人 新産健会 副理事長
放射線専門医・内科医


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