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アルコールと肝機能障害

アルコールと肝機能障害

日本では春と秋に健康診断や人間ドックを行うことが多いと思いますが、皆様方はもう受診されましたでしょうか?
採血項目の中には肝機能を調べる項目がありますが、今回はアルコールと肝機能障害との関係について述べたいと思います。

1.アルコール性肝障害とは

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アルコール性肝障害とは文字通り、長年に渡って過度の飲酒を継続することで、肝機能に障害が出現した状態を指します。

アルコールは体に吸収された後、最終的には肝臓で「アルコール脱水素酵素」という酵素によって分解されます。しかし、その分解能力を超えると肝臓の働きが弱ってきます。また、アルコールを分解する途中で産生されるアセトアルデヒドなどの代謝産物も肝臓に悪影響を及ぼします。

2.アルコール肝障害と肝硬変

 肝臓と肝硬変、がん

アルコール肝障害は、最初の段階ではアルコール性脂肪肝になり、さらに飲酒を続けるとアルコール性肝炎に、最終的には肝硬変まで進行してしまいます。肝硬変になると、もう元には戻りません。最悪、肝臓がんを発症することもあります。

3.アルコール性肝障害の良い指標「γ-GTP」

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肝機能の検査項目の中では、γ-GTP(ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)という酵素がアルコール性肝障害の良い指標となります。
γ-GTPは肝臓や腎臓、膵臓などに含まれる酵素の一種で、解毒作用を持っています。肝臓の細胞が壊れると血中に放出されます。ですから、γ-GTPが高いほど、肝細胞はよりひどく破壊されていることを意味しています。GOT(AST)やGPT(ALT)も重要な指標ですがγ-GTPと比較すると上昇してくるのが遅く、一般的にアルコール性肝障害ではGOT>GPT、脂肪肝ではGPT>GOTという傾向がみられます。

日本人は遺伝的に欧米人と比較してアルコール性肝機能障害になりやすいとされていますが、その理由は「アルコール脱水素酵素」を合成する遺伝子を持っていない人の割合が多いからだといわれています。しかし、仮に持っていたとしても、分解する速度以上に過度の飲酒をすれば、肝障害となってしまいます。

4.アルコール性肝障害を改善する方法は

1日のアルコール摂取量

アルコール性肝障害を改善する方法は、「禁酒」の一言に尽きます。禁酒により1ヶ月で、γ-GTPは約2分の1の値となります。

「酒は百薬の長」ともいいますが、アルコールとは上手な付き合い方が必要です。

それでは飲酒の適量はどれくらいかというと、人それぞれではあると思いますが、アルコールの強い人でもビールで大瓶1本、日本酒なら1合程度と一般的にいわれています。それから、週1~2回の禁酒も大切です。

年末が近づき、忘年会など飲酒の機会が増えてきます。くれぐれも飲み過ぎにはご注意下さい。

 

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